借金があると住宅ローンが組めないことがあります。ましてや多重債務ともなると住宅ローンを組む際不利になってしまいます。
しかし、多重債務があるから絶対に住宅ローンが組めないというわけではありません。金融機関としては、住宅ローンの売上も大きな儲けになるので、安全であることがわかれば審査を通します。
ここでは、多重債務をお持ちの方でも住宅ローンの審査に通る方法を紹介していきましょう。
多重債務があると住宅ローンの審査に通りにくい理由
多重債務があると住宅ローンの審査が通りにくいのは、銀行の内部ルールに従い信用力に問題があると評価されるからです。
借入れの種類によって住宅ローンの審査が通りにくくなる理由を紹介します。
金融機関が認める返済比率をクリアしていないから
返済比率とは、年収に占める「借金の年間返済額」の割合のことをいいます。年収が低く年間返済額が高いと返済比率が高くなります。
返済比率が高い人が、さらに住宅ローンで借金をすると、返済が滞る可能性が高まってしまうため、結果として住宅ローンの審査に通りにくくなります。
一般の金融機関の年収比率の目安は、年収400万円未満の場合は30％以下、年収400万円以上は35％以下です。
例えば、年収350万円の人なら、借金の年間返済額が105万円(返済比率30％)以下、年収700万円の人なら、年間返済額が245万円(返済比率35％)以下であれば、住宅ローンを借りることが可能です。
借金内容に問題があるから
住宅ローンの審査では、借金の内容についてもチェックします。借金内容は借金の質でもあります。借金にはネガティブな借金もあります。金融機関はこのネガティブな借金を警戒します。
例えば同じ300万円の借金でも、教育ローンであれば「問題なし」と判断され、消費者金融やクレジットカードのキャッシングであれば「問題あり」と判断されることがあります。
銀行はさらに、借金内容によって、住宅ローン申込者の質も推測します。住宅ローン申込者の質とは、お金の管理ができる人なのか、できない人なのか、ということに尽きます。
借金は「正直」に申告する
金融機関に住宅ローンの審査を依頼するとき、多重債務であっても申告をしなければいけません。借金の額が多い人は、「申告をしなければ、住宅ローンの審査が通るかもしれない」という考えになってしまいます。
しかし嘘の申告はしないでください。
しかし、虚偽の申告は金融機関にばれてしまいます。金融機関には独自に借金を調査する手法があります。
そこで申告してない多重債務が見つかれば、些細な額であっても、虚偽申告をしたことによって審査に落ちてしまいます。必ず、正しい申告をするようにしましょう。
多重債務があっても住宅ローン審査を通過する方法
多重債務がありながら住宅ローンの審査を通りたい人は、ここで紹介することを踏まえて準備をしておきましょう。
借金の返済比率をあらかじめ計算しておく
住宅ローンの検討を始めたら返済比率を計算してみましょう。年間返済額を年収額で割って100をかければ、返済比率が出ます。
会社員であれば、会社から受け取る源泉徴収票に年収額が記載されています。そして借金の毎月の返済額に12カ月をかけて、年間返済額を算出します。多重債務の場合も借入れの額をすべて足して計算します。
例えば、年収500万円、多重債務であっても毎月の返済額5万円なら、返済比率は12％なので、大抵の金融機関は住宅ローンの審査通過できるでしょう。
・返済比率＝［(5万円×12カ月)÷500万円］×100＝12％
・借金返済額をできるだけ減らしておく
もし返済比率が3割を超えているとギリギリになるので、借金の返済額を減らしましょう。
借金の年間返済額は、繰上げ返済をすることで減らすことができます。繰上げ返済とは、自己資金を使って借金の一部または全額を、期日前に返済することをいいます。
住宅ローンの審査でクリアにしたいのは年間返済額です。返済額軽減型の繰り上げ返済で年間返済額を少なくしましょう。
多重債務でもの合理的な説明をする
多重債務であったとしても合理的な説明を用意しておくことが大切です。金融機関の住宅ローン担当者は、住宅ローン申請者の人柄も見ます。
多重債務の場合、借金の内容や目的を尋ねるでしょう。担当者は、住宅ローン申請者の答えの内容や答え方から人柄を推測することもあります。
教育ローンが多額なのであれば、子供に高等教育を受けさせる意義を担当者に伝えることも大切です。
また、自動車ローンの場合も趣味乗りではなく、長期間乗ってきたファミリーカーが故障したため、再びファミリーカーを購入したと説明すれば、必要に駆られていたと理解してもらえます。
「おまとめローン」を活用する
多重債務が原因で審査の通過が難しいと思われる場合、「おまとめローン」を活用する方法があります。
おまとめローンとは、複数のローンを金利の低い住宅ローンと一本化することで、月々の支払額を軽減する方法であり、金融機関にとっても返済プランの見通しがわかりやすくなる返済方法でもあります。
まとめ
多重債務があっても、内容によっては住宅ローンの審査を通ることは可能ということがわかりました。大切なのは、「返済能力はあるのか？」「何のための借入れなのか？」ということです。
多重債務があり、住宅ローンのお悩みがある方でも審査に通る可能性もあります。自分の借入れの状態を把握して住宅ローン審査にチャレンジするようにしましょう。
