マイホームを購入するためには、住宅ローンを組むのが一般的です。申込みの際におこなわれる審査が不安な方も多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅ローンの審査基準と通らない理由や通りやすくするコツを紹介します。
住宅ローンの審査に落ちてしまった方や、これから審査を受ける方もぜひ参考にしてみてください。
住宅ローン審査とは
住宅ローン審査とは、金融機関が借り手の返済能力や物件の担保価値を調査し、融資の合否を判断するためにおこなわれるものです。
審査は、事前審査と本審査の2段階でおこなわれ、両方の審査に通らなければ融資を受けることができません。
スムーズに審査を進めるために、あらかじめ事前審査と本審査の流れを知っておくといいでしょう。
住宅ローン審査の流れ
欲しい物件を見つけたら、住宅ローンを取り扱っている金融機関に事前審査の申込みをおこないます。
金融機関は、不動産の提携ローンでもご自身で探したところでも構いません。提携ローンは独自の優遇金利が適用されるので、審査に通りやすい傾向があるので条件が自分に合っていればおすすめです。
事前審査は本審査に進む前の段階で仮審査であり、審査申込書に記載した内容から申込者の返済能力の審査をします。
審査申込書には勤務先や勤続年数、年収、借入れの有無などの記入が必要です。具体的な審査内容は金融機関によって異なりますが、本審査に比べると審査項目は少ないです。
事前審査を通過したら本審査をおこないます。本審査は正式審査となり審査項目が増えます。購入希望物件の担保価値や、団体信用生命保険に加入するための健康状態なども調査されます。
本審査の認証が行われると、借入れ契約を結び、ご融資対象の物件の抵当権を設定した上で融資され、建築業者などに振込をおこないます。
ここまでが、住宅ローン審査の流れになります。これを踏まえておくと「審査のどこで引っかかってしまったのか?」「どうするべきか?」などが明確になるでしょう。
住宅ローン審査に通らない理由を考える
住宅ローン審査に通らない理由として、2つの原因が考えられます。
・返済能力に問題がある
・購入する物件の担保価値に問題がある
申込時に借入れがある、購入する物件の担保価値が低い場合など審査に通らないことがあります。
具体的な理由をあげて解説します。
- 年齢
- 健康状態
- 勤続年数
- 担保価値
- 返済比率
- 個人信用情報
年齢
住宅ローンには完済時年齢の上限があります。多くの金融機関では80歳前後を上限にしています。
住宅ローンの返済期間は通常最長35年です。申込み時40代以上の場合、35年ローンを組んだ際の完済時年齢が高いので、審査に通らない場合があります。
完済時年齢や借入期間などを考えると、住宅ローンは30~40代のうちに申請するのが望ましいでしょう。
健康状態
住宅ローンを申し込む際、団体信用生命保険(団信)に加入するのが一般的です。団信とは生命保険の一種で、住宅ローンの契約者が住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローンの残高が0円になります。
団信に加入する際、通常の生命保険と同様に、現在の健康状態や既往歴などを告知する必要があります。基本、住宅ローンは団信の加入が必須になるので、健康状態に問題がある場合、審査が通らない可能性があります。
団信への虚偽の告知をしてしまうと、万が一のことがあった際の住宅ローン残高が補償されなくなるので、必ず今の健康状態を申告するようにしましょう。
勤続年数
住宅ローンの審査では、現在の勤務先での勤務年数を確認します。具体的な審査基準は金融機関によって異なりますが、勤続年数が1年以上の場合を申し込み基準とする金融機関もあります。
担保評価
購入する物件の担保価値が低い場合、住宅ローンの審査が通らないことがあります。金融機関は住宅ローン実行時に対象の物件に抵当権を設定します。
これは万が一返済が滞った場合、抵当権を行使することで、物件を競売にかけ売却代金をローンの残債に充当するためです。
そのため、旧耐震や築古物件、不適格建築物など、売却しにくく担保価値が低い物件は、返済が滞った場合の補償がないので、住宅ローンの審査が通りにくくなります。
返済比率
返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合を意味します。年収に対して年間返済額が多い場合、住宅ローンの審査が通らない場合があります。
返済比率は以下の計算式で算定します。
返済比率(%)= 年間返済額 ÷ 年収×100
たとえば、年収500万円で年間返済額が100万円の場合、返済比率は20%です。
100万円 ÷ 500万円×100= 20%
また、年間返済額は住宅ローンの返済金だけでなく、自動車ローンの返済などその他の借入れ全てを含みます。
住宅ローン審査において返済比率がどの程度であれば審査に通るかは金融機関によって異なりますが、25~35%程度が目安とされています。
個人信用情報
住宅ローンの審査では、借入の有無や過去の延滞履歴なども調査されます。特にクレジットカードの延滞履歴などは、住宅ローン審査に影響するため注意が必要しましょう。
個人信用情報の状態が良い人は返済が遅延するリスクが低いと判断され、審査に通る可能性が高くなります。
一方、過去に延滞したり、債務整理を行ったりした場合は、個人信用情報に問題があると判断され、審査が通りにくくなるので注意が必要です。
まとめ
住宅ローン審査が通らない理由としていくつか挙げました。自分で気をつけることができるところとして、他の借入金の返済を済ませる、自己資金を増やすなど、返済比率を低くおさえるのがポイントです。
また、住宅ローンを組む際には、ご自身のライフプランに合わせて、月々の返済額、返済方法などをシミュレーションし、無理のない返済計画を立てておきましょう。